水素ステーション実証モデル事業
「川中島水素ステーション」とは
水力発電の電力と川中島の地下水を活用した、100%再生可能エネルギー由来の「水素」を生成、利活用する、県内ではじめて整備された施設です。
長野県企業局は、再生可能エネルギーの安定供給や、災害時における電源供給の可能性の実証を進めるとともに、水素エネルギーによる脱炭素社会の構築や、産業振興に向けた関係部局や民間企業の取組に参画していきます。
主な検証・取組内容
再生可能エネルギーの安定供給や付加価値拡大の可能性
余剰電力を水素に変換することで長期貯蔵が可能に。蓄電機能による再生可能エネルギーの安定供給や収入増の可能性を研究
災害時の電源供給の有効性
照明や携帯電話等を充電する電源としての有効性を防災訓練等で検証
燃料電池自動車(Fuel Cell Vehicle=FCV)の活用
FCVを導入し、CO₂削減による環境負荷軽減や利便性を検証
PR効果
再生可能エネルギー由来の水素エネルギーの普及・啓発(信州花フェスタ、G20関係閣僚会合等での活用、環境教育への活用、地元企業等との共同利用等)
人材育成
研修施設としての活用(高圧ガス製造保安責任者の資格取得に関わる実務経験、短期的な研修等)
再生可能エネルギー由来の
水素の生成
〈川中島水素ステーション〉
水素ステーションに設備された水素発生器で、水力発電による電気により川中島の地下水を電気分解して水素を発生させ、バッファータンクに一時的に貯めていきます。1日で燃料電池⾃動⾞(FCV)約1台分の水素を生成できます。
その後、水素圧縮機で圧力を82MPaまで徐々に上昇させ、200リットルのタンク3本に蓄ええます。この量でFCV約5台分の燃料となります。
燃料電池自動車(FCV)の導入
水素ステーションの整備と合わせ、水素と空気中の酸素から発生させた電気でモーターを回して走行する燃料電池自動車(Fuel Cell Vehicle=FCV)を、公用車として県庁に導入しました。水素の充てん時間は3分で、航続距離は810キロ。走行時に発生するのは水蒸気のみで、二酸化炭素や有害ガスを排出しません。
また、水素を満タンにしたFCVから外部給電器を介して電気を取り出すことで、一般家庭の約1週間分の電気をまかなえます。移動可能な非常用電源としても活用できます。