電気事業

小さな努力の積み重ね
水の恵みで暮らしを支える電気

県内23か所の発電所で、全国有数の豊富な水資源を活用した発電を行っており、地球にやさしいクリーンエネルギーの確保に努めています。
最大出力合計は10万4655kWで、全国の24公営電気事業者の中では第9位の規模となっています。
発電した電力はダイヤモンドパワー株式会社・丸紅新電力株式会社・株式会社UPDATERの3社コンソーシアムを通じて、
事業者の再生可能エネルギー率の向上や、信州産電力の価値向上を目指す
「信州Greenでんき」プロジェクトとして、企業や一般家庭、大都市の保育園等に供給しています。
企業局が発電する電力は、年間で約4億2千万kWhであり、これは長野県の世帯数の約14%分に相当します。

再生可能エネルギー供給拡大への取り組み

脱炭素社会づくりに向けた
新規電源開発

企業局では、2050ゼロカーボンの実現に向けて、再生可能エネルギーの供給を拡大するため、新たな水力発電所の建設や既存発電所の大規模改修を進めています。
平成30年度から取り組んでいる「新規電源開発地点発掘プロジェクト」では、開発候補地点を選定し、関係部局の協力を得ながら調査や地域との調整を進め、新しい水力発電所の建設へと結びつけています。
このプロジェクトで早期着手地点として選定された「小渋えんまん発電所」は、令和3年4月から運転を開始しました。

水素ステーション実証事業

企業局の川中島庁舎に、長野県内ではじめて水素ステーションを整備しました。水力発電の電気と川中島の地下水を活用した、100%再生可能エネルギー由来の水素の生成と利活用を通じて、再生可能エネルギーの安定供給や、災害時の電源供給の可能性を実証する、水素ステーション実証モデル事業に取り組んでいます。
水素ステーションの整備と合わせ、水素と空気中の酸素から発生させた電気で走行する燃料電池自動車(FCV)を、公用車として県庁に導入。CO2削減による環境負荷軽減や利便性を検証しています。

既存発電所の大規模改修

運転開始から60年近くが経過し、設備の老朽化も進んでいる発電所があります。次の60年も安定的に運転し、電気を供給するために大規模な改修を順次実施しています。
現在、美和発電所、春近発電所、与田切発電所、小渋第3発電所が工事を行っています。

エネルギー自立分散型で災害に強い地域づくり

地域連携水力発電
マイクログリットの構築

水力発電所の特徴である「自立運転機能」を活用した防災対策として、大規模災害等における停電時に、企業局の水力発電所から、地域防災拠点や一般家庭等へ直接電力を供給する「地域連携水力発電マイクログリッド」の構築を、市町村や電力会社等と協力して進めています。
新規に建設する水力発電所はもちろん、既存の発電所も改修して自立運転化し、発電所立地市町村に、1つ以上の自立運転機能を持った水力発電所があることを目指しています。

地域連携型水力発電所の取り組み

企業局の水力発電所として令和2年に運転を開始した「横川蛇石発電所」は、計画段階から地域のみなさまとの対話を重ね、発電所が地域の学びの場や観光資源としても活用できるよう、展望デッキや公園、発電所内部見学用の窓などの施設を整え、地域との協働による発電所の維持管理に取り組んでいます。
停電時でも発電できる自立運転機能を備え、地域の電源として使えるように非常用のコンセントが野外に設置されています。防災拠点等への電力供給についても研究をしています。